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猫が病院を嫌がるのはなぜ?キャリー慣らしから帰宅後のケアまで、通院ストレスを減らすコツ

ワクチンの日の朝、押し入れからキャリーを出した瞬間、さっきまで足元にいた猫がベッドの下へ消えていく――。やっとの思いで車に乗せても、移動中はずっと低い声で鳴き続け、到着するころには飼い主のほうがぐったり。猫と暮らしていると、そんな通院の場面に心当たりがある方も多いかもしれません。

猫の通院ストレスは「性格だから仕方ない」とあきらめられがちですが、獣医師や猫の専門家の間では、準備と工夫でかなり減らせると考えられています。この記事では、猫が病院を苦手とする理由と、家でできるキャリー慣らし、移動中・診察時・帰宅後のポイントを、専門機関の情報をもとにまとめます。

猫が通院を嫌がるのはなぜ?

全米猫獣医師協会(AAFP)が運営する飼い主向けサイト「Cat Friendly Homes」によると、多くの猫が通院を怖がるのは、動物病院だけでなくキャリーも車も「なじみのないもの」だからだとされています。猫は慣れたものの中でこそ安心できる動物で、新しい状況に慣れるには時間が必要だと考えられています。

米国の動物病院グループVCAも、猫は自分のなわばりへの愛着が強く、決まった日課の中で暮らすことを好むと説明しています。通院はその日課から急に引き離され、車での移動、見知らぬ景色やにおい、知らない人に触られる体験が重なるため、恐怖やストレスにつながりやすいと言われています。

さらに、キャリーが「病院に行くときだけ出てくる箱」になっていると、猫はキャリーそのものを嫌なことの合図として覚えてしまいます。キャリーを見ただけで隠れてしまうのは、ある意味で学習の結果と言えそうです。

専門家がすすめる「キャリーを家の一部にする」慣らし方

部屋に置いたキャリーバッグのそばでくつろぐキジトラ猫

Cat Friendly Homesでは、キャリーを地下室や物置にしまい込み、出発直前にだけ出すのではなく、猫がよく過ごす部屋に普段から置いておくことがすすめられています。日本でも、獣医師への取材記事で同じように「通院のときだけキャリーを出さない」ことが大切だと紹介されています。

  • やわらかい寝具を入れる:使い慣れた毛布や、飼い主のにおいがついた服を入れると安心しやすいとされています。
  • おやつ・またたび・おもちゃを中に置く:最初は夜のうちにこっそりおやつだけ食べていく、という段階から始まることも多いそうです。
  • 無理に誘わない:慣れる途中で「入って入って」と促すと、かえって警戒されることがあると言われています。
  • 時間をかける:キャリーを信頼するまで数日〜数週間かかることもあるため、落ち着いて、入れたときにほめたりご褒美をあげたりするのがよいとされています。
  • 短い「試運転」をする:キャリーに慣れたら、好きなおやつと一緒に短時間だけ車に乗せ、家に帰ってくる練習をすると、車移動にも慣れやすいと考えられています。

また、以前の移動で猫が出したストレスのにおいがキャリーに残っている場合もあるため、においの少ない洗剤でよく洗ってすすぎ、天日でしっかり乾かす、あるいは新しいキャリーにするという方法も紹介されています。

キャリーは「上も開く」ハードタイプが便利

Cat Friendly HomesやVCA、国内の獣医師の解説では、丈夫で、前だけでなく上からも開けられる(または上半分を外せる)キャリーがすすめられています。怖がる猫を無理に引っぱり出さず、下半分に入れたまま診察できるためです。段ボール製は一時的な使用にとどめたほうがよいとされています。

当日の連れ出し方と移動中の工夫

まだキャリーに慣れていない猫を連れて行く日は、「追いかけっこ」を避けることが大切だと言われています。出発5分前に慌てて追いかけると、猫の恐怖が強まり、飼い主がかまれたり引っかかれたりする原因にもなります。

  • 隠れ場所の少ない小さな部屋にキャリーを置き、猫と一緒に入ってドアを閉め、ゆっくり落ち着いて動く。
  • 歩いて入らない場合は、上の扉からそっと下ろす、または上半分を外して下半分に入れてから静かにふたを戻す。手足が引っかかるようならタオルで包む。
  • キャリーに慣れている猫なら、数時間ごはんを控えてからお気に入りのおやつを中に投げ入れると、自分から入ることが多いとされています(持病がある場合は絶食の可否を獣医師に確認しましょう)。
  • キャリーはタオルや毛布で覆い、流れていく景色が見えないようにする。持ち手だけでぶら下げると揺れて不安定になるため、底を支え、両腕で抱えて運ぶ。
  • 車では猫をキャリーから出さない。Cat Friendly Homesでは、衝突試験済みのキャリーでなければ、運転席や助手席の後ろの床に置くのがよいとしています。急ブレーキや急ハンドルを避け、エアコンの風が直接当たらないようにすることもすすめられています。
  • 猫用の合成フェロモン製品をタオルに吹きかけておく方法もあります。VCAでは出発の15〜30分前に軽くスプレーする使い方が紹介されています。

病院で、そして薬という選択肢

診察台の上で手袋をした獣医師に顔を支えられる白い長毛猫

病院では、上が開くキャリーなら上半分を外してもらい、猫が下半分に入ったまま診察を受けられないか相談してみるのもひとつの方法です。予約制の病院を選ぶと待合室で長く待たずに済み、ほかの動物と一緒になる時間を減らせると言われています。

練習を重ねても強く怖がってしまう猫については、通院前に飲ませる薬について獣医師に相談するよう、Cat Friendly HomesやVCAはすすめています。たとえば、通院時に強いストレスを示す猫20頭を対象にした2017年の研究(米国獣医師会雑誌)では、移動の約90分前にガバペンチンという薬を飲ませると、偽薬のときよりも移動中・診察中のストレスの評価が低くなったと報告されています。一方で、ふらつきや嘔吐などの副作用が見られた猫もいたこと、対象数が少ないことも指摘されています。持病やほかの薬との兼ね合いもあるため、自己判断で人の薬や市販のサプリを与えず、必ずかかりつけの獣医師に相談しましょう。

帰宅後は「におい」に注意。多頭飼いの場合

病院から帰ってきた猫に、同居猫がシャーッと威嚇する――これも多頭飼いではよく聞く光景です。Cat Friendly Homesによると、猫はにおいにとても敏感で、病院のにおいをまとって帰ってきた仲間を「知らない猫」と感じてしまうことがあるとされています。

  • 帰宅後はすぐに出さず、数分キャリーに入れたまま、ほかの猫の反応を見る。
  • 威嚇があれば、帰ってきた猫を別室で休ませる(ごはん・水・トイレ・寝床を用意)。手術や麻酔のあとは特に、落ち着ける環境を優先する。
  • それぞれの猫のにおいがついた寝具を交換し、「いつものにおい」を取り戻す手助けをする。
  • 数時間後(手術後は獣医師の指示に従ってもっと長く)、様子を見ながら少しずつ対面させる。怒ったり逃げたりするようなら、もう少し時間を置く。

まとめ

猫が通院を嫌がるのは、キャリー・車・病院という「なじみのないもの」が一度に押し寄せるからだと考えられています。キャリーを普段から部屋に置いて安心できる場所にしておくこと、上が開く丈夫なキャリーを選ぶこと、移動中は覆って静かに運ぶこと、帰宅後はにおいに気を配ることが、専門家のすすめる主なポイントです。

キャリー慣らしは、通院だけでなく災害時の避難にも役立ちます。体調が悪くなってから慌てないよう、元気なうちから少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。気になる症状があれば、早めにかかりつけの動物病院に相談しましょう。

参考:

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子猫を見つけたらすぐ拾うべき?母猫の見極めから保温・ミルク・届出まで専門機関の情報で解説

「道ばたで子猫が1匹だけで鳴いていたら、捨てられたに違いない」――そう思って、思わず抱き上げたくなる気持ちはよく分かります。ところが自治体の動物愛護センターや海外の動物保護団体によると、ひとりぼっちに見える子猫の多くは、実は近くに母猫がいて、ごはんを探しに出ているだけのことが多いとされています。

散歩や通勤の途中で、小さな子猫に出会うことは意外とあるものです。この記事では、子猫を見つけたときに「すぐ拾う前」に確かめたいこと、保護すると決めたときに最初の数時間でやるべきこと、そして手続きの面で知っておきたいことを、専門機関の情報をもとにまとめます。

まずは「本当に母猫がいないのか」を確かめる

熊本市動物愛護センターは、子猫を見つけてもすぐに触ったり連れ帰ったりせず、静かに見守ることが基本だと案内しています。姿が見えなくても母猫が近くで世話をしていることがほとんどで、人が触ってにおいが付くと育児放棄につながりかねない、とも注意しています。

アメリカの動物保護団体も同じ考え方で、サンディエゴ・ヒューメイン・ソサエティのガイドでは、子猫が病気やけがをしておらず、巣が分かる場合はそっと巣に戻して母猫に任せるよう勧めています。そのうえで、母猫が6時間以上戻らない場合に、自分で保護するか、保護施設に相談するかを考える流れになっています。

どれくらい待つかの目安は情報源によって幅があり、上のように6時間程度を一つの区切りとするものもあれば、熊本市のように「何日たっても母猫が戻らず、子猫が衰弱している場合」に相談を、と長めに見守ることを勧めるものもあります。共通しているのは、近くで見張るのではなく、離れたところから様子を見ることです。人がそばにいると、母猫は警戒して子猫に近づけないと言われています。

一方で、次のような場合は待たずに保護や相談を考えたほうがよいとされています。

  • 目やにがひどい、ぐったりしている、けがをしているなど、明らかに具合が悪そう
  • 車道の近く、雨ざらし、カラスや犬に狙われそうな場所など、その場にいること自体が危険
  • 体が冷たく、鳴く力も弱い

危険な場所にいるだけなら、近くの安全な物陰へ移して、また離れて見守るという方法も紹介されています。

石畳の上で子猫に授乳する母猫

保護すると決めたら、最初にやること

1. ミルクより先に「温める」

生まれて間もない子猫は自分で体温を保つ力が弱いと言われています。サンディエゴ・ヒューメイン・ソサエティは、体が冷えている子猫は湯たんぽ代わりのヒーターや温かいタオルでゆっくり温めるよう案内しています。

大切なのは、温める前にミルクを飲ませないことです。アメリカの動物病院グループVCAは、体が冷えた子猫はうまくミルクを飲めないため、先に体を温めることで授乳がうまくいきやすくなると解説しています。カイロやヒーターを使うときは、直接肌に当てずタオルで包み、ケースの半分だけを温めて子猫が自分で暑すぎない場所へ移動できるようにする工夫が勧められています。

2. 牛乳ではなく「子猫用ミルク」を

「子猫には牛乳」というイメージは根強いものの、専門機関はそろって牛乳をすすめていません。VCAによると、母猫の母乳は牛乳の2倍以上のたんぱく質を含み、牛乳は脂肪やタウリンなどが少なく乳糖が多いとされています。牛乳は下痢の原因にもなり、小さな子猫にとって下痢は命に関わることもあると言われています。ペットショップや動物病院で手に入る子猫用の粉ミルクと、子猫用の哺乳瓶を用意しましょう。

  • ミルクは人肌程度(約38℃)に温め、熱すぎないか確かめてから与える
  • 人の赤ちゃんのように仰向けにせず、うつ伏せの姿勢で飲ませる(誤嚥を防ぐため)
  • 授乳の間隔は、生後2週までは3〜4時間おき程度が目安とされる(月齢や体重で変わるので獣医師に確認を)
  • 作り置きは24時間以内、室温に出したミルクは1時間で捨てるのが目安とされる

3. 排泄のお手伝い

生後3週ごろまでの子猫は、自分でおしっこやうんちを出せないとされています。母猫は子猫のお尻をなめて排泄を促しますが、その代わりに、授乳のあとにぬるま湯で湿らせたコットンややわらかい布でお尻をやさしくトントンと刺激してあげる必要があります。やり方は動物病院で教えてもらえます。

やわらかい毛布にくるまれた茶トラの子猫

動物病院と、届出のこと

できるだけ早く動物病院へ

保護した子猫は、元気そうに見えてもできるだけ早く動物病院で診てもらうことが勧められています。おおよその月齢や体重の確認、ノミ・おなかの虫などの寄生虫のチェック、今後のミルクの量やワクチンの時期の相談ができます。

すでに猫を飼っている場合は、とくに注意が必要です。コーネル大学猫健康センターは、猫白血病ウイルス(FeLV)について、新しく家に迎える猫はすべて事前に検査するよう勧めています。検査結果が出るまでは、先住猫とは部屋を分け、食器やトイレも別にしておくと安心です。

飼い主がいる可能性もある

ある程度大きな子猫や人慣れした猫の場合、迷子の飼い猫である可能性もあります。神奈川県は、飼い主のわからない犬や猫を保護した場合、犬・猫は遺失物法上の「遺失物」にあたるため、最寄りの警察署に届け出るとともに、飼い主から問い合わせが来ていないか動物愛護センターにも連絡するよう案内しています。窓口や手順は都道府県・市区町村によって異なるので、お住まいの自治体の公式サイトで確認しましょう。

自分で飼えないときは

子猫の世話は、授乳だけでも昼夜を問わず数時間おきになり、想像以上に大変です。すぐに飼えない場合は、無理に抱え込まずに、自治体の動物愛護センターや地域の保護団体、動物病院に相談するのも一つの方法です。自治体によっては、離乳前の子猫を一時的に預かる「ミルクボランティア」を募集しているところもあります。

まとめ

  • ひとりぼっちの子猫も、近くに母猫がいることが多いとされる。まずは離れたところから見守る
  • 具合が悪そう、危険な場所にいる、長時間母猫が戻らない場合は保護や相談を考える
  • 保護したら、ミルクより先に「ゆっくり温める」
  • 牛乳ではなく子猫用ミルクを、うつ伏せの姿勢で。排泄のお手伝いも忘れずに
  • 早めに動物病院へ。先住猫がいる場合は検査が済むまで部屋を分ける
  • 飼い猫の可能性がある場合は、警察や動物愛護センターへの連絡も(窓口は自治体ごとに確認)

小さな命を前にすると、つい急いで手を差し伸べたくなりますが、「待つ」ことが子猫にとっていちばんの助けになる場合もあると言われています。迷ったときや、子猫の様子が気になるときは、早めにかかりつけの動物病院や自治体の動物愛護センターに相談しましょう。

参考:

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猫がストーブの前から離れない季節に。Xで話題の「ストーブとの再会」から考える冬の暖房と猫の安全

寒くなってきたこの時期、Xで「約半年ぶりにストーブと再会した猫が、うれしさを隠しきれない様子」を収めた投稿が話題になりました。ストーブの前にぴったりと陣取る姿に、「うちの子も同じ」「冬の風物詩」と共感の声が多く集まったようです。

暖かい場所が大好きな猫にとって、暖房器具はまさに冬の特等席。ただ、その一方で、やけどや火災、冬ならではの体調トラブルにつながることもあると言われています。今回は、公的機関や獣医師会などの情報をもとに、暖房シーズンに飼い主が気をつけたいポイントをまとめました。

そもそも、猫はなぜ暖かい場所が好きなのか

猫はもともと乾燥した暖かい地域に暮らしていた動物の子孫だとされ、人よりも少し暖かい環境を好むと言われています。日だまりや家電の上、人の膝の上など、家の中の「いちばん暖かい場所」をよく知っているのもそのためと考えられています。

海外の猫の団体の記事でも、猫は多くの家庭の室温より少し暖かいくらいを好むとされ、日当たりのよい場所に寝床を置くなどの工夫が紹介されています。シニア猫では関節の不調を抱えている子も多いとされ、暖かい寝床が助けになる場合もあるようです。

専門機関が呼びかけている注意点

ペットが関わる製品事故は「火災」になりやすい

製品評価技術基盤機構(NITE)は2024年3月、ペットが関わる製品事故について注意を呼びかけています。NITEによると、2013〜2022年度の10年間に通知されたペット関連の事故は61件で、そのうち約9割の54件が火災に至ったとされています。ペットの種類別では猫が最も多く、高い場所にある家電に飛び乗ることも事故の背景にあると見られています。

事故の多くは、留守番中のペットがこんろなどの操作ボタンを押してしまったとみられるケースで、ほかにも電源コードをかじる、電気製品の近くでの排尿による漏電・ショートといった事例が挙げられています。NITEは、暖房器具やこんろの周りに燃えやすい物やペットが興味を持つ物を置かないこと、使わない電気製品はプラグを抜くことなどを勧めています。

暖炉から少し離れたペットベッドで眠る猫

「心地よい温度」でも低温やけどになることがある

消費者庁は、さほど高温ではなく心地よく感じる温度であっても、長時間同じ場所が触れ続けることで低温やけどになることがあると注意を呼びかけています。湯たんぽや電気カーペットなどは、長時間の使用を避けるようにとされています。

これは人向けの注意喚起ですが、猫にも当てはまると考えられています。猫は気に入った場所で何時間も眠ることがあるうえ、被毛に覆われているため、皮膚の赤みや傷に飼い主が気づきにくいとも言われています。海外の猫の団体の記事では、人間用の電気あんかは動物には熱すぎてやけどの原因になりうるとして、ペット用の製品を使うよう勧めています。

冬は水を飲む量が減り、おしっこのトラブルが増えやすい

暖房の効いた部屋でぬくぬく過ごす冬は、猫の飲水量が減りがちだと言われています。ペット保険会社アニコム損保の情報をもとにした記事では、猫はもともと水をあまり飲まない動物とされ、気温が下がる冬は飲水量がさらに減って尿が濃くなり、膀胱炎や尿石症が起きやすくなると説明されています。特にオス猫は泌尿器のトラブルが起きやすい傾向があるとされています。乾燥した部屋で長く過ごすことも、水分不足につながると考えられています。

飼い主ができること・注意点

  • ストーブやヒーターは柵やガードで囲う:猫が直接触れたり、しっぽやヒゲを近づけすぎたりしないよう、物理的に距離を取るのが基本とされています。
  • 留守中・就寝中は暖房器具を消し、プラグを抜く:猫がスイッチを押してしまう事故を防ぐため、チャイルドロック機能があれば活用しましょう。
  • 周りに燃えやすい物を置かない:猫が落とした毛布やおもちゃがストーブに触れることもあるため、周囲は広めに空けておくと安心です。
  • 電源コードはカバーをつけるか、届かない場所に:かじり癖のある子は特に注意が必要とされています。
  • 暖かい場所と涼しい場所の両方を用意する:猫が暑くなったら自分で移動できるよう、逃げ場をつくることが大切だと言われています。ホットカーペットやペット用ヒーターも、一部だけ温めて全面を覆わないようにしましょう。
  • ときどき体をなでて皮膚をチェック:同じ場所で長く寝ている子は、毛をかき分けて赤み・脱毛・かさぶたがないか見てあげましょう。
  • 水飲み場を増やし、新鮮な水を用意する:複数の場所に水を置く、ぬるめの水にする、ウェットフードを取り入れるなどの工夫が勧められています。
  • 石油・ガス暖房はこまめに換気:燃焼式の暖房器具は室内の空気を汚すため、人と同じく定期的な換気が大切です。

毛布にくるまってくつろぐ三毛猫

「おしっこの回数が増えた・減った」「トイレで鳴く」「皮膚に赤みや脱毛がある」など、気になる症状があれば早めにかかりつけの動物病院に相談しましょう。やけどは見た目より深いこともあると言われているため、自己判断で様子を見すぎないことが大切です。

まとめ

ストーブの前で幸せそうにくつろぐ猫の姿は、冬ならではの癒やしの光景です。その時間を安心して楽しむために、「柵で囲う」「留守中は消してプラグを抜く」「逃げ場をつくる」「水分をしっかり」の4つを意識しておくとよいとされています。今年の冬も、猫と一緒に暖かく安全に過ごしましょう。

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一人暮らしで日中ほぼ留守でも猫は飼える?Xで話題の悩みを専門家の見解から考える

「猫を飼いたい気持ちはあるけれど、一人暮らしで一日のほとんどは仕事で家にいない。猫のことを考えたら、やめたほうがいいのかな」――そんな投稿がXで大きな話題になり、280万回以上表示されました。返信欄には「うちも共働きだけど猫はのびのび暮らしている」「子猫のうちは大変だった」など、実際に猫と暮らす人たちの声が数多く寄せられています。

同じように悩んでいる人は多いのではないでしょうか。そこで今回は、獣医師や動物行動学の研究者、猫の保護団体などの見解をもとに、「日中留守がちな一人暮らしでも猫と暮らせるのか」を考えてみます。

健康な成猫なら「日中の留守番」はこなせると言われています

猫はもともと単独で狩りをする動物で、一日の多くを寝て過ごします。そのため、健康な成猫であれば、仕事で家を空ける8時間前後の留守番は問題なく過ごせることが多いと言われています。国内の解説記事でも、健康な成猫なら8〜12時間程度の留守番は一匹で乗り切れるという目安が紹介されています。

一方で、イギリスの猫保護団体Cats Protectionは、成猫を12時間ひとりにすることが「たまに」あるのは構わないものの、それが日常的になるのは避けるべきだとしています。長時間の不在が続く場合は、知人やキャットシッターに様子を見てもらうことが勧められています。

また、次のような猫は留守番できる時間がぐっと短くなるとされています。

  • 子猫:生後4か月未満は4時間以上ひとりにするのは避けたほうがよいとされ、数時間おきの食事やお世話が必要と言われています。
  • 高齢猫:腎臓の働きが落ちやすく、水分補給やトイレの状態をこまめに確認する必要があるとされています。
  • 持病のある猫:投薬や体調の変化があるため、こまめな確認が必要と言われています。

日中ほぼ不在の一人暮らしなら、まずは「子猫より、性格の落ち着いた成猫を迎える」という選択肢を考えてみるのがよさそうです。保護猫団体では成猫の譲渡も多く、性格が分かったうえで迎えられるのもメリットと言われています。

「猫はクールだから平気」とは限らない――研究で分かってきたこと

「猫は飼い主がいなくても気にしない」というイメージがありますが、近年の研究では少し違う姿が見えてきています。

米オレゴン州立大学のクリスティン・ヴィターレ氏らの研究(2019年、学術誌Current Biologyに掲載)では、飼い主が部屋を出て戻ってきたときの猫の反応を調べました。その結果、子猫の約64%、成猫の約66%が、飼い主を「安心のよりどころ」として頼る安定した愛着を示したとされています。これは人間の赤ちゃんの割合(約65%)とほぼ同じで、「猫はそっけない」というのは思い込みにすぎないと研究者はコメントしています。

また、ブラジルの研究チームが2020年に学術誌PLOS ONEで発表した調査では、飼い主へのアンケートで223匹の猫のうち約13%に「分離に関連した問題行動」のサインが見られたと報告されています。主なサインは次のようなものでした。

  • 家具などを壊す、ひっかく
  • 過剰に鳴く
  • トイレ以外の場所で排尿する
  • 元気がない、無気力になる

この調査では、おもちゃで遊べる環境がないことや、家にほかの動物がいないことが、こうした問題と関連していたとされています。ただし、これは飼い主の回答にもとづく調査で、研究者自身も「行動観察による確認が必要」としています。「留守番が長い=必ず問題が起きる」というわけではなく、留守中の環境と、在宅中の関わり方が大切と考えられています。

爪とぎポールにつかまり、吊るされたおもちゃに手を伸ばす子猫

留守がちな飼い主にできること

アメリカ猫臨床医協会(AAFP)と国際猫医学会(ISFM)は、猫が健やかに暮らすための環境の指針として「5つの柱」を示しています。安心できる隠れ場所、食事・水・トイレ・爪とぎ・寝床などの資源を複数かつ離して置くこと、遊びや狩りの欲求を満たす機会、飼い主との予測しやすく前向きな触れ合い、そして猫のにおいの感覚を尊重すること――これらは「あると望ましい」ではなく「欠かせないもの」とされています。

この考え方を、留守がちな一人暮らしに当てはめると、次のような工夫が挙げられます。

  • 高い場所と隠れ場所をつくる:キャットタワーや棚、箱など、猫が安心して休める場所を用意する。
  • 窓の外を眺められるようにする:鳥や人の動きを見ることが、留守中の刺激になると言われています。
  • ひとりで遊べるおもちゃを置く:知育トイやフードを探すタイプのおもちゃは、狩りの欲求を満たすのに役立つとされています。
  • 水とトイレは余裕をもって:水飲み場は複数、トイレは「猫の数+1」が目安と言われています。
  • 帰宅後に一緒に遊ぶ時間をつくる:短い時間でも、毎日決まった時間に遊ぶことで、猫が安心しやすいと言われています。
  • 見守りカメラや自動給餌器を活用する:様子を確認でき、食事の時間を一定に保てます。
  • いざという時の頼り先を決めておく:残業や出張に備えて、キャットシッターや頼れる知人、かかりつけの動物病院を事前に探しておく。

窓際で並んでくつろぐ2匹の猫

「2匹で飼えば寂しくない」は本当?

先ほどの調査では「ほかの動物がいない」ことが問題行動と関連していたため、「2匹飼い」をすすめる声もあります。実際、きょうだい猫や相性のよい猫同士なら、一緒に遊んだりくっついて寝たりして、留守中の刺激になると言われています。

ただし、猫は本来単独で暮らす動物でもあり、相性の悪い猫同士ではかえってストレスになることもあると、獣医師団体は注意をよびかけています。2匹目を考えるなら、仲のよいきょうだい猫を一緒に迎える、保護団体に相性を相談するなど、慎重に進めるのがよいとされています。

まとめ:大事なのは「留守の長さ」より「暮らし方の工夫」

専門家の見解をまとめると、日中留守がちな一人暮らしでも、

  • 健康な成猫を迎える
  • 留守中も退屈しない環境を整える
  • 在宅中にしっかり関わる
  • 長時間の不在に備えて頼り先を確保する

といった点を押さえれば、猫と幸せに暮らしている人は多いと言われています。逆に、毎日12時間以上の不在が続く、急な出張が多いといった場合は、迎える前に一度立ち止まって考えるのもひとつの愛情です。

猫は15年以上生きることも珍しくありません。「今の暮らしで、この先もずっとお世話を続けられるか」を考えたうえで迎えることが大切です。また、留守番のあとにトイレの失敗や過剰な鳴き、元気がないといった変化が見られたら、早めにかかりつけの動物病院に相談しましょう。

参考:

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海外旅行関係 猫好きにおすすめの記事

ペットと一緒に飛行機乗れるの?

ペットを飛行機に乗せるには?~国際線~
海外へのお引越しなどでペットと一緒に飛行機に乗ることを考えないといけない状況があるかもしれません。
そもそも、飛行機にペットを乗せられるの?
答えはYes。ほとんどの航空会社で現在、厳しい規則や制限はあるもののペットの搭乗が認められています。
一昔前はペットは荷物と同じ扱いで、機内ではなく貨物室(貨物室の中でも空気の入れ替えが可能なスペース)での搭乗が基本でしたが、貨物室の温度管理がうまくいかなかったり、ペットの種類によっては搭乗中の体温調節ができなくなったなどの事故で死亡してしまうケースがあったため、小型のペットに限っては機内で預かる(座席の下)ことができる航空会社が増えてきています。

・どこの航空会社でも乗せられるの?機内持ち込み可の航空会社はどこ?

それではどこの航空会社でもペットの受け入れをしているのでしょうか?まず機内への持ち込みが認められている航空会社は以下です。(2021年4月現在※コロナの影響により今後機内へのペットの持ち込みは制限される可能性があるため、変更となる場合があります。)

北米路線:ユナイテッド航空、エアカナダ、アメリカン航空、デルタ航空

欧州路線:ルフトハンザドイツ航空、スカンジナビア航空、エールフランス航空、スイス・インターナショナルエアラインズ、オーストリア航空、KLMオランダ航空、フィンランド航空

アジア路線:大韓航空、ベトナム航空、アシアナ航空

など

概ね大きな航空会社で機内へのペット受け入れが可能です。特に北米の航空会社は動物愛護への観点から会社のルールに加えて、当日の乗務員の判断でルールを勘案してくれる航空会社が多いように感じます。例えばユナイテッド航空では、原則機内ではペットはキャリーバッグ内から出してはいけないことになっていますが、不安症候群など獣医師が「この子は飼い主に抱かれていないと健康状態に異常をきたす恐れがある」との診断書があれば飛行中も膝の上に抱っこすることが許されたりするケースもあるそうです。

ただし、そうしたケースはたとえユナイテッド航空でもすべての便で対応可能なことではありません。あくまでイレギュラー。実際に機内にペットを搭乗させる場合は、航空会社の厳しい規則に沿うことができるかをよく考えることが大切です。

・貨物室へのペットの預け入れについて

ペットを機内へ持ち込みが可能でない航空会社の場合、(※機内持ち込みが可能な航空会社でも規定外の場合は貨物室への預け入れとなる)貨物室への預け入れ手荷物として運搬することができることがほとんどの航空会社で可能です。ただしピーチなどのLCC(Budget Airと呼ばれる系)の航空会社では貨物室への預け入れも受け付けていない場合がほとんどですので、事前に十分調べてから航空券の予約をすることをお勧めします。

日本航空・JALの場合

日本のフラッグシップエア・JALの場合、国際線での機内持ち込みはできません。貨物室のみとなります。ただし、貨物室への預かりに関してもかなり厳しい規定と、運搬中の事故を防ぐために受け入れが可能な犬種やペットの状態、運搬中の貨物室の環境などが細かに注意としてアナウンスされています。

まず飛行機の貨物室の中で、ペットが乗る貨物室はスーツケースなどが搭載される貨物室よりも小さい、一番後方のバルクと呼ばれるスペース。このバルクにはチェックインカウンターで預かった荷物の中でもとりわけ取り扱いに注意が必要な壊れ物や、ベビーカーなど搭乗ゲートで搭載されるようなバラ積みの荷物が入っているスペースになります。ちなみに飛行機到着時には、他の貨物室よりも早くに開かれて荷物が運び出される場所でもあります。

バルクの空調は、基本的には私たち人間が座っている機内と同じシステムで調節されています。機内でも上空になるにつれて空調が入っていても気温がぐんぐん下がって毛布が必要になるような空間ですよね。それを考えるとペットたちがクレートの中で自分で温度調節できるぐらいの健康状態でなければ不安になってしまうと思います。

航空会社側でも、できる限り万全の態勢で受け入れをしてくれていますが、過去にバルクの空調システムがうまく作動せずに中のペットが亡くなってしまうという悲しい出来事が起こったこともあります。

そのため各航空会社でもかなりの注意喚起を行っています。

例えばJALの場合…

ペットの健康状態について

飼い主の皆さまと離れることによるストレスや気温の変化などによってペットの体調に異変が生じることがございますので、以下の項目に該当する場合は事前に獣医師へご相談いただくことをお勧めいたします。

  • 呼吸器に疾患をもっている
  • 体温調節が上手でない
  • 以前航空輸送をした際に食欲がなくなり、下痢を起こしたことがある
  • 航空輸送が体質的に合わないと思われる症状がある
  • 暗い場所でストレスを強く感じる傾向がある

その他にも機内と機外の温度、湿度の差があることや、慣れない音が発生する環境であることなど、ペットを預ける身としてはかなり脅かされるようなことが書いてあります。他の航空会社でも特に北米系の航空会社となると明確に運搬に適さない犬種(鼻が短い犬種など)それだけ命を運ぶ環境としては完璧を目指していても、どうしようもないことが起こる可能性があるということですね。

航空機移動に注意が必要な種類がある

機内にペットを持ち込み可能な航空会社でも、特定の犬種、猫の種類に対しては受付をしないことがあるそうです。

例えば短頭種の動物(ボクサー犬、ペキニーズ犬、ペルシャ猫など)は鼻の長さが短く、体質的に高温の環境やストレスが原因でフライト中に呼吸困難となることがあるそうです。航空会社にもよりますが、固有の短頭種の動物であっても機内持ち込みや、貨物便(カーゴ便※人が乗らない別便の貨物便)に荷物として運搬することを許諾していることが多いので、お家のペットの種類が飛行機に乗せられるかどうかは、一律には判断ができません。