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さくら猫を保護へ 野良猫を保護するまでの記録⑥

タマの里親探し

タマの里親探しが始まった。

屋内に入れた翌日、すぐに地域猫活動に協力してくれている近くの動物病院に連れて行った。

外猫を屋内に入れる際に確認したい身体検査のため。

・血液検査(猫エイズ、猫白血病の有無、その他機能の異常)

・ノミ、ダニ駆除(薬を落としてもらって終了)

・体重測定

・おおよその年齢(あくまで歯や毛艶で獣医師判断)

・爪切

タマの検査結果

血液検査の結果は、奇跡の良好!エイズも白血病も陰性だった。

外猫生活が長い子は、だいたい血液検査で異常がある子が多いのです。

ただ歯の状態が悪く、ほとんどが抜けている。そして歯肉炎があり、それが原因で外で餌をあまり食べることがなかったということが分かった。

この歯の状態では、推定年齢は最低でも7歳。

となると成猫の中でも、もうおばあちゃんに近いということ…

里親探しの壁

動物病院での結果を受けて、タマの里親探しは難航する。

そもそもキジトラの猫は人気がない。外猫でうろうろしているのは7~8割がキジトラ。

子猫でなく、しかも年寄りの猫であること。

歯が抜けている、歯肉炎がある、ということは病院通いが決定。下手すると餌も歯の負担が少ない物を選んで与えないといけない。

保護猫の会で譲渡会や里親探しのベテランに相談するが、状況は厳しく、時間をかけても良い出会いがあるかどうかは難しい。

現在のタマ

ネットでの里親募集、地域雑誌への掲載、友人、知人へのSNS拡散お願い、そして動物病院での貼り紙のお願い…

タマの里親探しには、思いつく限りの方法を試し、事務所で保護できる期限の1か月を迎えた。

・・・残念ながらタマの里親は見つからなかった。

正確には数件の問い合わせがあった。

一人は猫を飼ったことがない一人暮らしの男性。

保護猫団体からの譲渡だと一人暮らしの男性は、ほぼ譲渡を断られるそうだ。タマの場合は、歯の状態や年齢の高さを説明し、その男性には猫を飼うにはこんなことが予測されますよ、とおおまかな話をさせてもらった。

「猫って鳴くんですか?」話を聞いて、その男性が質問したこと。なんでもマンションはペット可だが、鳴き声がするとNGらしい。保護猫を引き取ることを選択してくれただけで有難かったが、猫は鳴く。夜は元気に走り回る。

ということを伝えると、諦められた。

もう一組は高齢者のご夫婦。

76歳と83歳のご夫婦だが、条件が合うなら譲渡を考えようと思っていた。高齢者も保護猫団体からの譲渡は断られる場合が多いからだ。

条件と言うのは、飼い主さんに何かあった時、すぐに駆け付けて猫の世話や引き取りをしてくれる家族が近くにいるか?ということ。

残念ながら、こちらのご夫婦はサポートしてくれる家族はいるが、タマも高齢ということを伝えると、自分たちの病院通いも大変だからタマの通院は難しいと諦められた。

結局は保護主が終生面倒をみる覚悟が必要

タマは結局、保護主である私の実家で引き取ることになった。先住猫がいたり、両親も高齢者という状況ではあるけれど、両親に何かあった時は私がもちろん責任をもって、猫たちの世話を引き受けるという条件で。

外で可哀そうな猫を見かけた時、お家に入れてあげたいと思う人は多いでしょう。

自分では飼えないけど、里親を探してあげられるかな?

そう思う人は多いと思います。

私自身が体験したのは、里親が見つかる猫はごくごくわずかという現実。

そして、里親探しをするためには、外猫を家に入れ、お家での生活に慣れさせ、人間に慣れさせた後にならないと里親探しが難しいこと。

一旦、お家に入れた外猫は、二度と外に出すことはできません。

里親が確実にみつかる、という保証はないのです。