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新型コロナウイルス COVID-19に効果あり?アビガンってどんな薬?アビガンの製造元 富士フイルム富山化学株式会社ってどんな会社?

「アビガン」ってどんな薬?

2020年3月31日 富士フイルム富山化学株式会社は、「アビガン」を新型コロナウイルスCOVID-19の感染者に実際に投与し、治療効果と安全性を確認する臨床試験を開始と発表しました。すでに生産に関しては、政府の要請があり3月上旬から増産に着手していることから、今後の臨床試験の結果、新型コロナウイルスCOVID-19への効果が確実に認められれば多くの命が救われる希望の薬となるでしょう。

そんな薬「アビガン」と「アビガン」を製造、販売している会社について見てみましょう。

元々は新型インフルエンザ用の薬
「アビガン」は元々、新型インフルエンザに対する抗インフルエンザウイルス薬として開発されました。
抗インフルエンザ薬とは、簡単に言うと体の中に入ったインフルエンザウイルスに直接攻撃を行う薬のことです。
この「アビガン」はそもそも新型コロナウイルスCOVID-19用に作られた薬ではありませんでしたが、感染者への投与の結果、COVID-19にも効果が期待できる可能性が高まっています。
「アビガン」はいつできたの?
「アビガン」は2014年に日本での製造、販売に承認が下りましたが、新型インフルエンザの既存薬が効果のない患者にのみ使用できるという条件付きでした。そのため、市場には流通せず、政府が新型インフルエンザの感染拡大があった場合に備蓄をする形で存在していた薬なのです。
「アビガン」を製造している会社は?
「アビガン」は日本の会社が開発、製造をしています。その会社は富士フイルム富山化学株式会社。社名に富山と入っていますが、本社は東京都中央区にあります。
元々は富士フイルムRIファーマ株式会社と富山化学工業株式会社の2つの会社がくっついた会社です。

富士フイルムRIファーマ株式会社の沿革

富士フイルムRIファーマ株式会社の設立は1968年、第一製薬グループとアメリカのマリンクロット社の合弁会社として設立し、翌年から営業開始します。
1988年、マリンクロット社とは分かれて、第一製薬の100%子会社へ。そして2006年に第一製薬から富士フイルムへ全株譲渡され富士フイルムの子会社となりました。
翌年、社名を富士フイルムRIファーマ株式会社に変更します。

富山化学工業株式会社の沿革

一方、富山化学工業株式会社の設立は、1936年に富山市し、1961年に本社を富山市から東京へ移しました。
2002年に大正製薬と業務契約を締結し、大正富山医薬品株式会社を設立。
2008年に富士フイルムおよび大正製薬との資本・業務提携の基本合意をします。
2014年に抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠200mg」が承認され、2018年に富士フイルムの100%子会社となりました。
2018年のこの時、富士フイルムが富士フイルムRIファーマ株式会社と富山化学工業株式会社を統合し、社名を富士フイルム富山化学株式会社に変更というわけです。

アビガンはどこで買えるの?

日本国内で製造されていて、国の認可もおりている薬「アビガン」ですが、どこで買えるのでしょうか?

まず、仮に今回の新型コロナウイルスCOVID-19に対する効果が公的に認められたとしても、「アビガン」はドラッグストアで買うことはできません。それは「アビガン」が劇薬・処方箋医薬品に指定されているからです。

通常、ドラッグストアで購入できる薬は第一類、第二類、第三類医薬品がOTC(Over The Counter=対面販売で医薬品を買うこと)医療品と決められています。ですので「アビガン」はこの類に指定されておらず、処方箋医薬品に指定されているため、私たちが気軽に買える薬ではないのです。

それでは病院に行き、医師から処方箋を貰えば買えるのでしょうか?先にも書いたように、「アビガン」は政府が備蓄用としてのみ販売を承認しているため、すでにある抗インフルエンザ薬、タミフルなどのように病院でも処方されることができない状態です。それも、劇薬に指定されているように、この「アビガン」の使用には適していない患者の使用を避けるために限定的な条件が必要とされるからです。

「アビガン」が使用できない人

「アビガン」製造元の富士フイルム富山化学株式会社によると、動物実験において、胎児の致死及び催奇形性が確認されたとの記載があります。このことから、人で使用する場合も胎児への影響の可能性があるため、妊婦や妊娠している可能性がある人、また精子への流入も認められているため、「アビガン」投与後には7日間、性交をすることも禁忌されています。(動物実験では休薬後に精巣機能の回復傾向が認められている)

参照:http://fftc.fujifilm.co.jp/med/abigan/pack/pdf/abigan_if_01.pdf

【警告 】
1. 動物実験において、本剤は初期胚の致死及び催奇形性が確認されていることか
ら、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと(「禁忌」及び
「6.妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)。
2. 妊娠する可能性のある婦人に投与する場合は、投与開始前に妊娠検査を行い、
陰性であることを確認した上で、投与を開始すること。また、その危険性につ
いて十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後7日間はパートナーと共に
極めて有効な避妊法の実施を徹底するよう指導すること(「6.妊婦・産婦・授乳
婦等への投与」の項参照)。なお、本剤の投与期間中に妊娠が疑われる場合に
は、直ちに投与を中止し、医師等に連絡するよう患者を指導すること。
3. 本剤は精液中へ移行することから、男性患者に投与する際は、その危険性につ
いて十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後7日間まで、性交渉を行う
場合は極めて有効な避妊法の実施を徹底 (男性は必ずコンドームを着用) する
よう指導すること。また、この期間中は妊婦との性交渉を行わせないこと(「6.
妊婦・産婦・授乳婦等への投与」及び「薬物動態 2.分布」の項参照)。
4. 治療開始に先立ち、患者又はその家族等に有効性及び危険性(胎児への曝露の危
険性を含む) を十分に文書にて説明し、文書で同意を得てから投与を開始する
こと(「禁忌」、「2.重要な基本的注意」及び「6.妊婦・産婦・授乳婦等への投
与」の項参照)。
5. 本剤の投与にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。

「アビガン」はどのくらいの量を服用するのか

「アビガン」は1錠200mgとなっています。大きさは直径8.7mm、厚さ4.3㎜と少し大きめの錠剤のようです。

用法は、1 日目は 1 回1600mg、すなわち8錠を 1 日 2 回、 2 日目から 5 日目は 1 回600mg、3錠を 1 日 2 回、口から投与するとあります。総投与期間は 5 日間なので、最初の日は一日16錠飲み、2日目から5日目は1日6錠を服用するということのようです。