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猫が脱走したらどこを探す?室内飼いの猫は意外と近くにいる理由と、迷子を防ぐ備えを解説

室内飼いの猫が外に出てしまったとき、見つかる場所は意外なほど家の近くだと言われています。迷子猫1,210頭の調査をもとに、探す範囲と隠れやすい場所、連絡先、玄関や網戸の脱走対策、首輪とマイクロチップの備えを、研究や自治体の情報からまとめました。

39メートル。これは、完全室内飼いの猫が家の外に出てしまい、無事に見つかったケースで、抜け出した地点から発見場所までの距離の中央値です。迷子になった猫1,210頭について飼い主に尋ねた2018年の研究で報告された数字で、25メートルプールを1往復もしない距離です。

「遠くへ行ってしまったはず」と焦る気持ちとは裏腹に、外に慣れていない猫は、すぐ近くで身を潜めていることが多いと考えられています。

脱走した猫はなぜ遠くへ行かないのか

学術誌Animalsに掲載されたHuangらの研究によると、室内飼いの猫は発見場所までの距離の中央値が39メートルで、75%が137メートル以内で見つかったとされています。一方、自由に外へ出ていた猫は中央値が300メートル、75%が約1,600メートル以内と、行動範囲に大きな差がありました。著者らは、探す範囲の目安として、室内飼いの猫なら半径およそ200メートル、外に出ていた猫なら2キロメートル以上も視野に入れることを提案しています。

見つかったときの猫は、およそ半数が怯えた様子だったと報告されています。慣れない外の世界で怖くなり、物陰でじっとしている猫が少なくないと考えられます。そのため、普段は呼べば来る猫でも、名前を呼ぶだけでは出てこない場合があると言われています。

駐車中の車の下に身を潜めるトラ猫

専門家の見解:どこを、いつ探すべきか

隠れ場所は「足元」と「ご近所」

同じ研究では、発見場所の83%が屋外で、他人の家の中が11%、自宅の中が4%でした。屋外では、庭が20%、自宅の外で待っていたケースが19%、茂みなど植物の下が16%、テラスやデッキの下が10%とされています。他人の家で見つかった例では、ガレージが28%、家具の裏や下が22%でした。

また、アメリカの動物保護団体Best Friends Animal Societyが紹介するペット探偵のKat Albrecht氏の助言では、まず家の中を押し入れや収納の奥、マットレスの下まで徹底的に探し、猫は隠れ場所を変えることがあるので同じ場所も繰り返し確認するよう勧められています。

最初の1週間が大切とされる理由

研究では、迷子になった猫のうち生きて見つかった割合は、7日目までで34%、30日目までで50%、1年で61%でした。実際に歩いて探すことには発見率を高める可能性が示されましたが、統計的には弱い根拠にとどまるとされています。それでも著者らは、いなくなってから最初の1週間のうちに、しっかり足を使って探すことを勧めています。時間が経ってから見つかる例もあるので、すぐに諦める必要はないとも読み取れます。

探す時間帯については、Best Friendsの記事では、あたりが静かになる深夜や早朝に猫が動きやすいとして、時間を変えながら探すことが勧められています。捕獲器の活用を勧める声もありますが、この研究では捕獲器の明確な効果は確認されておらず、効果については見方が分かれる部分です。

飼い主ができること:いなくなった直後の行動

  • 家の中をもう一度探す:押し入れ、家具の裏、ベッドの下などを確認します。
  • 出た地点の周辺を歩いて探す:室内飼いの猫なら、まず半径200メートルほどを、車の下、物置の陰、植え込みの中まで低い目線で見ていきます。他人の敷地は許可を得てから確認しましょう。
  • 近所の人に声をかける:ガレージや物置の中を確認してもらえるよう頼むのも一案とされています。
  • 関係機関に届け出る:山梨県は市町村、保健所、警察へすぐ届け出るよう案内しています。埼玉県も動物指導センター、警察署、市町村役場への連絡を挙げ、いなくなった日時と場所、猫の特徴、マイクロチップの有無を伝え、写真も提出するよう案内しています。窓口は地域で異なるので、お住まいの自治体で確認しましょう。
  • 保護情報を確認する:自治体の収容動物情報や、警察の落とし物情報も定期的に見ておくと安心です。

戻ってきた猫にけがや体調の変化があるようなら、早めにかかりつけの動物病院に相談しましょう。

脱走を防ぐ備え:出口をふさぎ、身元を示す

Huangらの研究では、室内から逃げた猫のうち経路が分かっている例の74%が、開いたドアやガレージからでした。山梨県も、玄関や窓の開け閉めのときやすき間から逃げることがあるとして、柵の設置や窓・網戸の鍵を勧めています。

  • 玄関:宅配の受け取りや来客のときが要注意とされています。玄関前にペットゲートや柵を置き、ドアを開ける前に猫の居場所を確認する習慣をつけましょう。
  • 窓・網戸:網戸ロックや窓ストッパーを使うと、猫が自分で開けるのを防ぎやすいと言われています。破れやすい網戸は補強を検討します。
  • ベランダ:柵の下のすき間は脱走や転落の原因になることがあります。ネットで対策する場合は、災害時の避難経路をふさがないよう注意が必要です。

赤い首輪に丸い迷子札をつけたキジトラ猫

万一に備えた身元の表示も大切です。東京都は、首輪やマイクロチップで身元が分かると、保護されたときに飼い主のもとへ帰りやすくなると説明しています。なお、Huangらの研究ではマイクロチップなどの有無と発見率に明確な関連は見られませんでしたが、著者らは登録情報を正確に保つことの重要性を指摘しています。

  • 首輪と迷子札:オーストラリアのRSPCAは、強い力がかかると外れる安全バックル付きの首輪を推奨しています。指が大きめなら1本、小さめなら2本入る程度に調整し、週に1回はきつさや傷みを確認するとよいとされています。室内飼いの猫にも、脱走に備えて着けることが勧められています。
  • マイクロチップ:日本では販売業者に装着の義務があり、一般の飼い主は努力義務とされています。住所や電話番号が変わったら、30日以内に変更の届け出が必要です。

まとめ

室内飼いの猫が外に出てしまったとき、研究からは、遠くではなく家のすぐ近くで隠れている可能性が高いと考えられています。まず家の中と周囲をていねいに、時間帯を変えて繰り返し探し、同時に自治体や警察へ届け出ることが大切です。そして何より、玄関や網戸の対策と、首輪やマイクロチップの備えを、いなくなる前に整えておきましょう。

参考: