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子猫を見つけたらすぐ拾うべき?母猫の見極めから保温・ミルク・届出まで専門機関の情報で解説

「道ばたで子猫が1匹だけで鳴いていたら、捨てられたに違いない」――そう思って、思わず抱き上げたくなる気持ちはよく分かります。ところが自治体の動物愛護センターや海外の動物保護団体によると、ひとりぼっちに見える子猫の多くは、実は近くに母猫がいて、ごはんを探しに出ているだけのことが多いとされています。

散歩や通勤の途中で、小さな子猫に出会うことは意外とあるものです。この記事では、子猫を見つけたときに「すぐ拾う前」に確かめたいこと、保護すると決めたときに最初の数時間でやるべきこと、そして手続きの面で知っておきたいことを、専門機関の情報をもとにまとめます。

まずは「本当に母猫がいないのか」を確かめる

熊本市動物愛護センターは、子猫を見つけてもすぐに触ったり連れ帰ったりせず、静かに見守ることが基本だと案内しています。姿が見えなくても母猫が近くで世話をしていることがほとんどで、人が触ってにおいが付くと育児放棄につながりかねない、とも注意しています。

アメリカの動物保護団体も同じ考え方で、サンディエゴ・ヒューメイン・ソサエティのガイドでは、子猫が病気やけがをしておらず、巣が分かる場合はそっと巣に戻して母猫に任せるよう勧めています。そのうえで、母猫が6時間以上戻らない場合に、自分で保護するか、保護施設に相談するかを考える流れになっています。

どれくらい待つかの目安は情報源によって幅があり、上のように6時間程度を一つの区切りとするものもあれば、熊本市のように「何日たっても母猫が戻らず、子猫が衰弱している場合」に相談を、と長めに見守ることを勧めるものもあります。共通しているのは、近くで見張るのではなく、離れたところから様子を見ることです。人がそばにいると、母猫は警戒して子猫に近づけないと言われています。

一方で、次のような場合は待たずに保護や相談を考えたほうがよいとされています。

  • 目やにがひどい、ぐったりしている、けがをしているなど、明らかに具合が悪そう
  • 車道の近く、雨ざらし、カラスや犬に狙われそうな場所など、その場にいること自体が危険
  • 体が冷たく、鳴く力も弱い

危険な場所にいるだけなら、近くの安全な物陰へ移して、また離れて見守るという方法も紹介されています。

石畳の上で子猫に授乳する母猫

保護すると決めたら、最初にやること

1. ミルクより先に「温める」

生まれて間もない子猫は自分で体温を保つ力が弱いと言われています。サンディエゴ・ヒューメイン・ソサエティは、体が冷えている子猫は湯たんぽ代わりのヒーターや温かいタオルでゆっくり温めるよう案内しています。

大切なのは、温める前にミルクを飲ませないことです。アメリカの動物病院グループVCAは、体が冷えた子猫はうまくミルクを飲めないため、先に体を温めることで授乳がうまくいきやすくなると解説しています。カイロやヒーターを使うときは、直接肌に当てずタオルで包み、ケースの半分だけを温めて子猫が自分で暑すぎない場所へ移動できるようにする工夫が勧められています。

2. 牛乳ではなく「子猫用ミルク」を

「子猫には牛乳」というイメージは根強いものの、専門機関はそろって牛乳をすすめていません。VCAによると、母猫の母乳は牛乳の2倍以上のたんぱく質を含み、牛乳は脂肪やタウリンなどが少なく乳糖が多いとされています。牛乳は下痢の原因にもなり、小さな子猫にとって下痢は命に関わることもあると言われています。ペットショップや動物病院で手に入る子猫用の粉ミルクと、子猫用の哺乳瓶を用意しましょう。

  • ミルクは人肌程度(約38℃)に温め、熱すぎないか確かめてから与える
  • 人の赤ちゃんのように仰向けにせず、うつ伏せの姿勢で飲ませる(誤嚥を防ぐため)
  • 授乳の間隔は、生後2週までは3〜4時間おき程度が目安とされる(月齢や体重で変わるので獣医師に確認を)
  • 作り置きは24時間以内、室温に出したミルクは1時間で捨てるのが目安とされる

3. 排泄のお手伝い

生後3週ごろまでの子猫は、自分でおしっこやうんちを出せないとされています。母猫は子猫のお尻をなめて排泄を促しますが、その代わりに、授乳のあとにぬるま湯で湿らせたコットンややわらかい布でお尻をやさしくトントンと刺激してあげる必要があります。やり方は動物病院で教えてもらえます。

やわらかい毛布にくるまれた茶トラの子猫

動物病院と、届出のこと

できるだけ早く動物病院へ

保護した子猫は、元気そうに見えてもできるだけ早く動物病院で診てもらうことが勧められています。おおよその月齢や体重の確認、ノミ・おなかの虫などの寄生虫のチェック、今後のミルクの量やワクチンの時期の相談ができます。

すでに猫を飼っている場合は、とくに注意が必要です。コーネル大学猫健康センターは、猫白血病ウイルス(FeLV)について、新しく家に迎える猫はすべて事前に検査するよう勧めています。検査結果が出るまでは、先住猫とは部屋を分け、食器やトイレも別にしておくと安心です。

飼い主がいる可能性もある

ある程度大きな子猫や人慣れした猫の場合、迷子の飼い猫である可能性もあります。神奈川県は、飼い主のわからない犬や猫を保護した場合、犬・猫は遺失物法上の「遺失物」にあたるため、最寄りの警察署に届け出るとともに、飼い主から問い合わせが来ていないか動物愛護センターにも連絡するよう案内しています。窓口や手順は都道府県・市区町村によって異なるので、お住まいの自治体の公式サイトで確認しましょう。

自分で飼えないときは

子猫の世話は、授乳だけでも昼夜を問わず数時間おきになり、想像以上に大変です。すぐに飼えない場合は、無理に抱え込まずに、自治体の動物愛護センターや地域の保護団体、動物病院に相談するのも一つの方法です。自治体によっては、離乳前の子猫を一時的に預かる「ミルクボランティア」を募集しているところもあります。

まとめ

  • ひとりぼっちの子猫も、近くに母猫がいることが多いとされる。まずは離れたところから見守る
  • 具合が悪そう、危険な場所にいる、長時間母猫が戻らない場合は保護や相談を考える
  • 保護したら、ミルクより先に「ゆっくり温める」
  • 牛乳ではなく子猫用ミルクを、うつ伏せの姿勢で。排泄のお手伝いも忘れずに
  • 早めに動物病院へ。先住猫がいる場合は検査が済むまで部屋を分ける
  • 飼い猫の可能性がある場合は、警察や動物愛護センターへの連絡も(窓口は自治体ごとに確認)

小さな命を前にすると、つい急いで手を差し伸べたくなりますが、「待つ」ことが子猫にとっていちばんの助けになる場合もあると言われています。迷ったときや、子猫の様子が気になるときは、早めにかかりつけの動物病院や自治体の動物愛護センターに相談しましょう。

参考: